第12話 囲い込み [マンションGETで300万返済]
3物件のジョーカーになり、こりゃ1つくらい買えるんじゃないか?
と期待で胸いっぱいだった自分。
そんな自分の想いが、度重なるやりとりの中で、電話口の向こうにまで伝わってしまったのか、
一番最初に自分をジョーカーにした販売会社の担当からお誘いを受けた。
「○○さん、お勤めは○○駅でしたよね?ちょっと今週末、社内の飲み会があるのですが
ちょっと変わったお店に行くので、もしご都合よろしければご一緒にいかがですか?」
なんで社内の飲みに僕が行くワケ?と思いながらも、暇だったのでホイホイOKしてみた。
当日、そおっと行ってみると、何てことはない、よくあるアジア料理系の居酒屋で、
カタカナだらけのMENUと、大好きな一番搾りに比べたら水っぽくて微妙な味の異国のビール達をいろいろ味わえる、そんな店だった。
もっと、説教居酒屋とか、無重力居酒屋とか、ノー○ンで高い場所の焼酎注ぐアレとか、そういうのを期待してたので、かなりの肩すかし。。普通じゃん!と思いながら、「ささ、どうぞどうぞ!」と案内され席に座ると
「こんばんわー、ビールでいいですか?(ニコッ!)」
と両サイドに満面の笑みを浮かべた美女が。
キタコレ、コンパニオン!
絶対、社内の人じゃないだろ!と思われる美女が2人、右からはおしぼり、左からはMENUを渡してきた。。
周囲を見ると、たしかに、モデルルームや、その後出向いた事務所で見かけた顔がいたが
どうみても、僕の両サイドの2人だけ、雰囲気が違うというか、御顔立ちが際立っており、
不動産屋チックなスーツ姿だが、インナーのシャツの胸元がヒラヒラしつつV字回復角度が深い。
こ、これは、、、他社物件に流れることを阻止するための色仕掛けか?!
いや、まてよ。こ、これは、罠だ。 また妄想が頭をよぎる。
・しこたま飲まされ
・王様ゲームとかされ
・チューとか、胸元に手をあてさせられたりして
・そこを盗撮され
・いや、一部始終をすでに録画されてて
・いや、何事もなく、こちらが油断したのをいいことに、もっと飲まされ、
・3次会あたりでベロベロな僕がこの美女達においたをして
・気が付いたら看板の無いカラオケスナックのソファーベッドの上で目覚め
「このビデオ映像は弊社で厳重にお預かりしておきますので、ご安心を。
何もかも、○○様の人生まるごと、弊社にお任せ下さいね!!」
なんて言われて、絶対他物件なんかに鞍替え出来ないどころか、
キャッシュバックも脅されて減額とかされるんじゃ?
などと嫌な妄想まで膨らみまくりで、、もう呑める酒も、見える胸元も、まともに飲めず、見えず。
(ま、ちょっと見ましたけどね)
で、美女からの度重なるお触りタッチに、身も心も元気になるのを必死に抑えつつ、
ナシゴレンとシンハービールだけで、
「あー、実はこのあと、もう1件顔出さなきゃならないんでーすいやせんw」
なんて言って1次会で逃げ帰ってみた。(かなり後ろ髪引かれる想いでw)
美女に囲まれて、タダ酒飲んで、タダメシ食って、こんな美味しい想いは最高だけど
人生の経験上、だいたい、美味しい思いをした後にはひどいしっぺ返しがあると身をもって学んできたw
ので、防衛本能のほうが、勝ってしまったようでw
その後、毎週のように、この販社からは社内呑みに誘われまくった。
(社員かっつうの)
もう、家まで張られてるんじゃ?
実は会社も尾行されてるとか?
と心配になるほど。。
さっさと決めたいが、ジョーカーである自分以外の見込み客の最終返答待ちとかで
そちらが買うとなったら、自分は干されるワケで。
いや、、ココでまた妄想が走った。
ただ白紙になる、で済むのだろうか。。。
こんな裏ワザでマンション買う話しちゃったが、結局、用無しになったら、、、
消されやしないか?
銀行というか、自分の場合は、銀行は鼻っから借り入れNGで(消費者金融その他への返済遅延など多数で)
公庫に半分と残りは住宅専門の貸付機関(名前忘れた)からの借り入れ審査だったけど
結局、それらを、「借金アリ、頭金ナシの貧乏人」である本来の自分が
「借金ナシ、頭金アリのまともな人」として、だますと言ったら語弊があるけど、
(実際、借金は完全に「無くなり」、頭金もしっかり自分の金として口座に「ある」状態での審査なので)
そういう違法ではないけど、なんかこう、裏ワザ的な方法なので、
コイツには「消えてもらわねば」的なことにならないか?
と一抹の不安を覚えたのもこの頃からだった。
考えだしたらキリがないし、まーそんなことになったらなったでそれもブログネタだな、
なんて思えた自分は、色仕掛けだけにはハマらないよう、その頃から外出するときは
前後左右よくよく見ながら歩行するようになっていた。。。
そして、いよいよ、まわって来るわけです、、ジョーカーに。
つづきは、第13話 決断、にて。
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